金属箔のスリット加工

スリット加工はフィルム材を用いることが多いのですが、金属箔を用いることもあります。どのような金属箔をスリット加工することが多いのかというと、やはりアルミ箔でしょう。大半の家庭に常備されていて、料理にもよく使用するアルミホイルもスリット加工をした商品です。

では、アルミニウム以外の素材は、どのような金属でスリット加工を行っているのでしょうか。アルミニウム以外では、銅箔やニッケル箔、コバルト箔などがよく用いられていますが、やはりアルミ箔が圧倒的に多いと言えます。なぜならアルミニウムという素材がいろいろな場面で使用しやすいからです。

熱の伝わりが早いだけではなく、冷めるのも早くなっているので料理に適していますし、軽くて柔らかい素材というのも特徴です。しかも衛生面に優れているという特徴があるため、薬をもらったときに錠剤やカプセルが納められているプラスチックの入れ物にもアルミ箔が使われています。さらに印刷も簡単にできるので、使用用途がたくさんあるのです。

クリーンルームでスリット加工を行うわけ

スリット加工を行うときには、普通の工場に設置された機械を使用して行う場合もあれば、クリーンルームという無菌室内に機械を設置して、作業を行う場合もあります。なぜクリーンルームでスリット加工を行うのかというと、材料に不純物が付着しないためです。

スリット加工というのは、極薄のフィルム材や金属箔などを加工するので、中にはほんの僅かな不純物の付着も許されない商品も存在しています。殆ど見えないようなホコリが付着しただけでも、不良になってしまうような製品もあるのです。だからこそクリーンルームで使用するのですが、スリット加工を行っている企業の多くは、クリーンルームが設けられているでしょう。

クリーンルームには通常普通の作業着ではなく、特別な作業着やマスクを着用し、体を消毒してからはいる部屋なので、食品加工などでよく使われています。しかし、実際には食品加工だけではなく、スリット加工のような製造業でも、クリーンルームを使用していることはあるのです。

油膜洗浄を行う

スリット加工はフィルム材を使用することが多いのですが、金属箔を加工することもあります。特に金属箔の場合には、油分が付着していることもあるので、スリット加工をした後で必ず油分を取り除かなくてはいけなくなる場合もあるのです。しかし、油はなかなか取ることができませんし、金属箔はもろいので、すぐシワが寄ってしまう場合や、破れてしまう場合があります。

このようなときには、プラズマ処理によって油分を取り除くのです。プラズマ処理を行うことによって、油分だけではなく一般的な汚れを除去することもできます。このような作業をプラズマクリーニングと呼んでおり、スリット加工を行っている業者であれば、殆どの業者が導入しています。

一般的な脂の取り方は、業務用に売られているシンナーやメタノール、ヘキサンなどを使用することが多いでしょう。それでも完全に油分を取ることができない場合でも、プラズマ処理であればしっかりと取り除くことができるのです。

プラズマによる親水化処理

スリット加工をする場合には、加工を行った後にいろいろな処理をおこなう必要が出てくる場合があります。そんな処理の中でも特に多いのがプラズマ処理なのですが、プラズマ処理にもまたいろいろな種類があるのです。その中の1つが親水化処理なのですが、実際に仕事をしたことがない人の場合には、どのような処理なのかわからないでしょう。

親水化処理というのは、疎水性基板の表面を水に濡れやすくするために行う処理のことです。疎水性基板というのは、簡単に言えば水に馴染みにくい物のことで、スリット加工を行うときに使用する材料の中には、水に馴染みにくい物もあるのです。

では、どのような素材が水に馴染みにくいのかというと、ポリエチレンやポリエステル、
ポリプロピレンなどが一般的でしょう。もちろん他の材料であっても親水化処理を行うことはあるのですが、大半はこれらの材料になっています。発泡体を密着させることで素材自体を改善するのが親水化処理なのです。

スリット加工は精密な物が多い

スリット加工は極薄の素材を加工するので、機械にセットするだけとは言ってもかなりの技術と経験を必要とします。しかもミリ単位、マイクロ単位で加工する場合も多く、精密な物が大半を占めています。ほんの僅かなズレであっても、ロールに巻いた最初から最後まで見ると、数センチのズレになることもあるのです。

フィルム加工の場合には、不純物が張り付いて混入しやすいですし、金属箔の加工をする場合には、機械の調子が悪い場合や、材料に適切な加工方法をしないと、バリが出てしまうこともあります。品質がかなり重要視されるのがスリット加工なので、注意するべき点は寸法だけではありません。

中には幅が数ミリしかないのに、長さが数十メートルあるという商品も存在していますが、この場合に少しでも寸法がズレてしまうと、途中で切断されてしまう可能性もあります。フィルム加工の場合には、幅が広くなると加工が難しくなりますし、検査も大変になるので、スリット加工は簡単そうに見えて、かなり精密で難しいのです。

広幅スリット加工は難しい

スリット加工の難しさは、糸のように細い寸法で加工するときも当てはまるのですが、実は幅の広い加工をするときも難しいのです。なぜ広い幅の加工をするのが難しいのかというと、スリット加工は極薄の素材を使用するので、幅が広いと歪みが発生してしまい、寸法がズレてしまうことがあります。

 

しかも幅が広くなることで、万が一傷が付いた場合などにも見落としやすくなるという危険性もあります。通常スリット加工の検査は機械で行うのですが、最終的には目視も必要なので、機械から出てくるときに、しっかりと自分の目で見て確認する必要もあるのです。しかし、幅が広いと手前の方はともかく、遠くの方で見落としがあります。

 

このように幅の広いスリット加工は、経験と技術が必要になるので、初めのうちは最も加工しやすい寸法で作業を行い、経験を積んでから幅の広い加工を行います。もちろん材質によっても難しさは変わってくるので、幅が広くてもそれほど難しくなるわけではない素材もあれば、かなり難易度が高くなる素材もあります。

アルミホイルもスリット加工が行われている

スリット加工されている製品というのは、我々の身近にいくらでも存在しているのです。

例えばおにぎりを包むのに使用する場合や、蒸し焼きにするときなどによく使われているアルミホイルもスリット加工が行われています。知っての通りにアルミホイルはかなり極薄なので、別名アルミ箔とも呼ばれています。

アルミホイルもスリット加工で一定の幅に加工されてから芯に巻き取り、出荷されているのです。

フィルム材に比べてアルミ箔の場合には、ちょっとした負荷がかかってもくしゃくしゃになってしまうので、取り扱いがかなり難しくなっています。少しでもくしゃくしゃになってしまえば、もう商品にはなりません。

だからこそベテランの技術者でなければ難しいのですが、金属箔というのはアルミニウムに限らず、かなり難しくなっているので、最初はフィルム加工から行うという企業が多いでしょう。

ある程度慣れてきて、トラブルにも対処できるようになってからアルミニウムなどの金属箔を加工できるようになるのです。

電池を作るにもスリット加工が必要

スリット加工をして使用する製品はたくさんあるのですが、中には意外な物も存在しています。その1つが電池なのですが、電池のどこにスリット加工を施した物が使用されているのでしょうか。電池にもいろいろな種類があるのですが、一般的な乾電池はもちろん、コイン型のリチウムイオン電池にも使用されています。

リチウムイオン電池の場合には、黒鉛やナノシリコン、アモルファス酸化シリコンや電子伝導性被膜が使用されていますが、この他にも銅箔が使用されているのです。銅箔はスリット加工を行って使用するので、リチウムイオン電池にスリット加工は欠かせません。

一般的な乾電池も同じような作りになっているので、やはりスリット加工を行った部品を用いることになります。電池の作り方まで調べるという人はほとんどいないでしょうが、このように調べてみると、いろいろな製品にスリット加工を施した製品が使用されているということがわかります。現在ではスリット加工は欠かせない技術となっているのです。

離型フィルム

溶断されたシール袋のことをサイドシール製袋と呼んでいるのですが、このサイドシール製袋に使用しているのが離型フィルムと呼ばれている素材です。この離型フィルムには4種類存在しているのですが、もちろんスリット加工をして、指定の大きさにしてから使用することはいうまでもありません。

4種類というのは、一般的なタイプ、静電気を防止するタイプ、蒸着タイプ、透明ブルータイプです。使用用途も異なっているのですが、一般的なタイプと静電気を防止するタイプの離型フィルムには、印刷を施すことも可能になっています。一般タイプは厚みが数種類存在しているのですが、他のタイプは厚みが一緒になっています。

スリット加工をする場合には、だいたい同じ大きさにすることが多いのですが、微妙に異なった大きさに加工することもあります。離型フィルムはそれほどたくさんの依頼が来るという会社は少ないですが、スリット加工が難しいというわけではないので、初心者が練習するにはよい素材だと言えるでしょう。

キャリアテープをスリット加工するケース

スリット加工を行っている業者はたくさんあるのですが、どのような加工をしているのか、どのような材料を加工しているのかは、会社によって異なっていることが多いでしょう。

特に素材に関しては、どのような素材であってもスリット加工を行っている場合もあれば、金属箔に限ってスリット加工をしているという場合もあります。

 

中にはキャリアテープと呼ばれる材料を加工している業者もあるのですが、キャリアテープとはどのような素材なのでしょうか。

キャリアテープというのは、小さくて精密な電子部品を保管することに使用しているテープで、ポリスチレン樹脂などを使って作られています。

 

このようなキャリアテープをスリット加工している会社もあるのですが、0.1ミリ単位で依頼を受けることが多く、かなり加工するのが難しいと言われています。

また、キャリアテープにも紙キャリアテープやエンボスキャリアテープなどの種類があるので、使用用途によって加工するキャリアテープの種類も変わってくるのです。